「東京大田区・弁当屋のすごい経営」菅原勇一郎著。
扶桑社新書刊。菅原勇一郎・立教大学卒。(体育会野球部所属)。卒業後富士銀行
(現・みずほ銀行)に入行。1997年株式会社玉子屋に常務取締役として入社。
2004年に同社代表取締役。創業者である父親も富士銀行勤務経験がある。
○日替わり弁当のみで年商70億。昼12時まで7万食を配達。原価率53%。
廃棄率0.1%。「1商品だけで8年で業績3倍増」をどのように成し遂げたのか。
(*コロナ禍で7万食は現在4万食になっている。)
人材不足が言われる中、なぜお弁当の「玉子屋」には、「元気のいい、生き生きと働くスタッフ」
が集まるのか。スタンフォード大学のMBA教材にもなった中小企業。
○コロナ禍で売上が激減した2020年8月に、食中毒を出すという不祥事を起こしました。
死んでお詫びしようと思った時、「このとき、救われたのは、ネットの書き込みでした。
不祥事を起こした会社にネット社会がいかに厳しいかは知っていましたので
覚悟をしていましたが、実は批判は5%で、残り95%は応援メッセージでした。
これを知った時、玉子屋はまだ大丈夫だ、頑張れると思いました。」
○「東京の人口は約1400万人ですが、昼間人口は1592万人にのぼります。
そのうちの数万人に、肉と魚と野菜のバランスがいい弁当を500円で
届けられることは、意味があると思っています。玉子屋の弁当を食べて
午後も頑張ろう、そう思ってくださるお客様が約4万人以上いらっしゃる。
ニーズはある。だから玉子屋は、負けないで頑張る。それが私の信念です。」
○「会社とは、何代も続いていて伝統があるから残す、というものではありません。
世の中に必要とされているから残すべきで、それは中小企業でも大企業でも変わりません。
自社が、社のある地域に、都道府県に、日本に、世界に、どのような影響を与えられるのか。
そのような視点で世の中の流れを捕えることが重要なのだと思います。
今後どのようなことが起きても、経営者として「勇気と覚悟をもって臨んでいきたいと考えています。」
⇒玉子屋さんの一番のこだわりは米だそうです。「ご飯を比べてください!」。
玉子屋が営業をかけるときの強力なセールストークだという。
また、コメの品種のDNA鑑定も定期的に実施し、業者をけん制している。
とにかく凄いお弁当屋さんです。